2024年牡羊座満月ー「今でしょ!」
こんにちはー!かとうです。今回も1日遅れになってしまい恐縮です。
今熊本城では人工雲海の見られるイベントがやっていまして、先日見に行ってみたのですが(なかなかきれいでした)、その帰りに今話題の紫金山・アトラス彗星を見ることができましたー(拍手)。
熊本城のあたりはそんなにライトアップされておらず(歩くのに困らない程度の明るさは確保されていますが)、目視で彗星の特徴的なコマ(光の尾)も含めて観測できました。
せっかく自分の目でも見たしな、ということで追記に紫金山・アトラス彗星の位置を加味して今回の満月の占星術的解釈を試みたものを書きましたので、よろしければご覧ください。
彗星といえば個人的にはパンスペルミア説が思い起こされます。パンスペルミア説とは、ざっくり言うと「地球上の最初の生命は宇宙から飛来した」という説です(ウィキペディアのリンクはこちら。この考え方は何千年も前からあるようです)。
「彗星パンスペルミア(チャンドラ・ウィックラマシンゲ著/松井孝典監修/所源亮訳 恒星社厚生閣 2017年発行))」という、1970年代から研究者である著者と共同研究者が展開してきたパンスペルミア論がまとめられた本には、
「地球上に初めて生物が出現した時期は、地球の物質学的歴史の彗星や小惑星の衝突のピーク時期(重爆撃期)と一致していることが示されている。これはつまり、彗星の衝突そのものによって最初の生物の出現がもたらされた可能性を強く示唆している。」とあります。
近年パンスペルミア説が新たな手法で検証され(その手法によると、地球に宇宙から生命の源が飛来する可能性はかなり低いという結果になりました。リンクご参照のこと)、まだまだはっきりとその蓋然性が明らかになる段階にはないようですが、面白い説だなと思います。
また、この本には「インフルエンザウイルスは彗星によってもたらされる」として、「インフルエンザの流行は一般的に、特定の季節に、お互いに切り離された世界各地で起こる。宇宙からの侵入という仮説は、そうでなければ説明がつかない現象を解き明かしてくれる。(…)この章で述べてきた見解に従えば、インフルエンザの原因物質は、地球の大気の最も高いところで、彗星によって定期的に再補給される。」とあります。他にも、金星から地球へバクテリアが飛来していると提唱する研究者の方もいるそうです。
それらの論を引用しつつ、「金星が太陽と内合する時期に太陽の黒点活動が弱まると感染症が発生しやすくなる」という説について、トルコの占星術師Oner Doserさんが書かれた記事が大変興味深いのです。2020年にnoteで紹介したのですが、今改めて読んでも面白かったのでリンクを貼っておきます。記事のリンクはこちら。※ページ右上のプルダウンから日本語でも読めますが、内合が「下合」と表記されていたりもするので、英語からDeepLなどにかけるほうが読みやすいかもです。
金星の会合周期は584日(約1年7カ月)で、内合するのも1年7カ月周期なのでそんなに頻繁に感染症が流行る…?とか思ったりしますが、記事には1918年2月9日に金星が太陽と内合し、スペイン風邪が1918年3月11日に発生、という感じで7つほどの金星内合と感染症発生のタイミングがリストアップされています。金星と太陽の位置関係だけでなく、太陽活動の極小期・極大期も関連するのではという話なので、周期的には妥当なのか…?などと思いつつ。とにかく興味深いのでぜひ読んでみてください(推し)。
前置きが長くなりましたが、牡羊座満月の占星術的解釈をお届けします。
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2024年10月17日20:26ごろ牡羊座で満月が起こります。

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今回の牡羊座満月の配置の特徴
月は牡羊座、太陽は天秤座にあり、向かい合っています。この太陽と月に蟹座の火星がスクエア(90度)となり、さらに山羊座最終度数の冥王星もゆるくスクエアとなるため、活動宮のグランドクロスが形成されています。
牡羊座の支配星である火星が太陽と月とスクエアとなり、太陽と月のミッドポイントにも位置することで、火星が強調されています。一方、知性を司る水星と抑制を司る土星はどの天体とも関わらないノーアスペクトとなっていて、全体的に勢いが増す反面、抑えが効かない感じの配置と考えられます。
また、蟹座の火星、蠍座の金星、魚座の海王星でゆるくグランドトラインができています。蠍座の金星と牡牛座の天王星がオポジションを取ることで、カイトが形成されています。
フォールの位置にある蠍座金星がさらに天王星のオポジションを受けていること、そこにカイトも加味すると、感情の力が強まり抑えが効かなくなり、人間関係かお金に関することに影響する、みたいな感じにも読めます。
ちなみに、先回の天秤座月食(10月3日)には、東京起点のホロスコープで冥王星がアセンダントとMCのミッドポイントに位置していましたが、今回の牡羊座満月でも先回と同様に、冥王星がアセンダントとMCのミッドポイントに位置します(満月や新月のタイミングでこの配置が2回続くのはまあまあ珍しいことだと思います)。先回の月食は総裁選の前のタイミング、今回は衆議院の解散総選挙のタイミングとなり、国政に関わる変化が起こる前にこのような配置があるのも興味深く思います。
総裁選は石破さんが選出されるという、やや意外、かつこれまでの与党の党内情勢から何かしらの変化が訪れそうな結果に終わったので、今回の総選挙も変化の節目と感じられるような結果となるかもしれませんね。
読み取れること①「いつカタをつけるの?今でしょ!」
今回の満月の配置は、良くも悪くも思い込みや勢いの強まるタイミングです。満月から数日間は、「いつかはやらないといけないけど、とりあえず今は良いか」と後回しにしていたことや、動くまでにあれこれ考えて結局面倒になりそのままにしてきた…みたいなことについて、いろいろと考えるよりも先に「とりあえずやってみよう」と思える感じの配置です。
満月なので、「新しいことを始める」というよりは「長年の課題や懸案にカタをつける」というニュアンスのことのほうが、より動きやすいかなと思います。あるいは「長年やりたかったことに手をつける」もありだと思います。重い腰も自然と上がるタイミングなので、見切り発車でも良いのでひとまず動いてみることで、一気に状況が展開しそうです。
読み取れること②勢い任せにしすぎない
今回の満月は勢いが強まって行動しやすいとはいえ、特に人に関わること、お金を大きく動かすようなことについては少々慎重になったほうが良さそうです。人から勧められてノリで大きい買い物をしてしまう、みたいなことも起こりそうな感じの配置ですが、あとあと後悔を避けたい場合は考える時間をとったほうが良いでしょう。
読み取れること③半年前の振り返りと未来への計画
今回の牡羊座満月は、今年の4月9日に起こった牡羊座日食(新月)と対応しています。今年の4月ごろから半年ほどの間に起きたことを振り返るのに良いタイミングです。また、今回の満月は月が11ハウスにあるため、振り返りを未来への計画につなげるのにも適しています。この半年ほどで印象的なことや変化があれば、それをふまえて今後さらにどうしていきたいかを考えてみるのも良いでしょう。
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追記:紫金山・アトラス彗星を満月の解釈に入れてみようの巻
せっかくなので目視できるほど近づいている紫金山・アトラス彗星を今回の満月の解釈に入れてみようと思います。
まずは黄経の位置を確認しよう
彗星の位置(黄経)が分かればホロスコープにプロットすることができます。ステラリウム(無料のプラネタリウムソフト)で今回の満月の日時(2024年10月17日20:26)の紫金山・アトラス彗星の黄経を確認したところ、「234度07分」と表示されました。牡羊座の始まりを0度として、それぞれのサインで区切らない状態で表記すると234度ということです(例えば、今回の満月の太陽の度数は天秤座の24度ですが、これはサインごとに30度で区切った状態での表記となります。サインで区切らないステラリウムの表記では204度です)。
234度07分をサイン表記に換算すると、蠍座の24度7分となります。なので、彗星が蠍座の24度台(数え度数だと25度)にあるとして解釈してみます。
彗星は占星術でどう解釈されてきたか
さて、彗星を解釈に入れようと思ったときに、気になるのは過去の占星術師たちがどのように彗星を解釈してきたかです。彗星の占星術的解釈についてはRod Changさんのこの記事がものすごく分かりやすかったです。
記事によると、古代ギリシャでは、彗星は干ばつや暴風雨など天変地異が起こるシグナルとして、ローマ帝国の時代では、暴動や戦争など、災害というよりは争いや諍いの象徴として捉えられたそうです。古代から中世にかけては、自然災害や殺りくなどとにかくよろしくないことをもたらす悪の権化のような存在とみなされました。ハレー彗星が684年に接近したときには暴風雨とペストの流行が起こり、1066年に接近したときにはイングランド王が戦死して新たな王が即位したことから、ハレー彗星は「王の死」を暗示すると考えられるようになりました。
また、古代の占星術師は、彗星の形状や色に注目して性質を判断していて、土星のように灰色っぽい色合いであれば、土星の同じような性質を持ち、土星的な事件を引き起こすだろうと考えたそうです。
Rod Changさんは、心理占星術の観点から、彗星が出てくる2つのギリシャ神話を基に犠牲と悲しみという要素、また彗星がキロンの軌道と共通することから集合的無意識から生じる恐怖や不安の解放という解釈ができるのではないかと述べています。そして、彗星がガスを放出することから思考やアイディアの放出によるイノベーション、解放という解釈も提案しています。
また、Astrology Kingにも今回の満月と彗星の解釈の記事が掲載されています。記事によると、彗星は時の為政者や宗教的指導者などの代理人を介してそのメッセージを伝えることがあるそうです。また、「最も大きな混乱は彗星が太陽に最も近づく近日点の時期に起こり、ここから少なくとも1年は影響を及ぼす」とあります。彗星は9月27日(日本時間で9月28日)に近日点を通過し、そのときの位置は乙女座15度47分とのことです。記事ではイスラエルのホロスコープと重ね合わせての彗星の解釈が紹介されています。
牡羊座満月+紫金山・アトラス彗星の占星術的解釈
先の内容をふまえて解釈してみますと、彗星は蠍座25度(数え度数)にあり、東京起点のホロスコープでは6ハウスに入ります。
マンデン占星術では、6ハウスは国民の健康や労働環境、食糧、国のかたちを支える公務員や国防面、感染症などを司ります。
色合いは今見えている感じだと白っぽく明るく見えるので、木星的な性質を考えても良いのかもしれませんが、今後の色合いの変化にも注目する必要があることと、彗星の凶兆としての側面を考えるとあまり楽観的な見方はできなさそうですね。食糧に関する困難や国防の危機、再びの感染症の流行などが懸念されます。蠍座の金星とほどなく重なることから、やはり金星的なことがら(金融面)にかげりを及ぼすとも考えられます。蠍座は税金も意味するので、増税や国家予算の使い道の大幅な変化なども考えられるかもしれません。ただ、この配置により国民の生活に関わるような領域でのイノベーションが起きるとも考えられます。
彗星は社会情勢や気候など大きなカテゴリのことがらに影響するようなので、個人の生活レベルでの影響については出生図との兼ね合いで考えたほうが良さそうです(後で触れます)。
また、紫金山・アトラス彗星は、10日3日に日食があった位置(数えで天秤座11度)を10月10日に通過しました。このことから、日食の配置を強調するとも考えられます。
日本のことで考えると、やはり9月末から10月にかけて自民党の総裁が変わったこと、衆議院の解散総選挙が行われることと彗星の軌道を重ねざるを得ません。
彗星が近日点を通過した前日の9月27日に自民党の総裁選が行われて新総裁が誕生し、日食の位置を通過した前日の10月9日に衆議院が解散され、総選挙が決定しました。
ここで気になるのは、彗星には「王の死」という象意も含まれるということです。しかし現代の「王」とは。政権を握る与党でしょうか?自民党の創設日のチャート(1955年11月15日12:00で算出)を見ると、太陽・月ともに蠍座(太陽が蠍座22度、月が蠍座29度)で、満月時の彗星の位置とかなり近いです。象徴的な「王」という意味では皇室関連でしょうか?でも、国民が主権を持つ国では、「王」は国民であるとも考えられます。国民主権とはいえ、これまで国のかじとりを政治家に任せきりにしていた状態が終わりを迎え、変化していくタイミング、となったら良いのですが。
いずれにしても、この10月に起こるできごとで彗星の象意の検証ができそうですね。特に総選挙の結果は注目に値します。ぜひ選挙に行って結果を見守りましょう。
出生図との関係は?
先ほど引用したRod Changさんの記事には、彗星のトランジットが出生図とどう関連するのかについて、ウェスト彗星とハレー彗星という2つの彗星とスティーブ・ジョブズの出生図について紹介されています。1976年にウェスト彗星が彼の出生図の金星、キロン、水星、太陽の上を通過したときにアップルコンピュータを創設し、1986年の1月から2月にかけてハレー彗星が彼の出生図の水星の位置を通過したときにアップルを去ることになった、とのことです。個人において、彗星と出生図天体の重なりは、日食や月食が象徴するようなご縁の切り替わりや関わるテーマの変化のように解釈できそうですね。
ウィキペディアによると、今回の紫金山・アトラス彗星が初めて目視されたのは今年の9月23日で、このとき彗星は乙女座13度あたりに位置していました。目視できそうなのは10月29日ごろまでで、それ以降になると難しくなるようです。10月29日の夜には射手座27度あたりに位置します。また、重要とされる近日点を通過したのは9月28日で、そのときの位置は乙女座15度47分です。
となると、彗星が目視できる乙女座13度から射手座27度までの範囲に、出生図で個人天体(太陽、月、水星、金星、火星)や感受点(アセンダント、ディセンダント、MC、ICやパートオブフォーチュンなど)があり、9月下旬から10月いっぱいで何かしらいつもと違うことや大きめの変化のあった人は、その変化に彗星も関わっていたと考えても良いのかもしれません。
私は出生図のディセンダントが射手座の1度51分で、紫金山・アトラス彗星は明日(10月19日)そのあたりを通過するみたいなので、何か印象的なことがあるか注目してみたいと思います。
ちなみに先回の天秤座日食のメルマガで「近年他国への侵攻を続けているプーチン大統領とネタニヤフ首相という、国家トップの2人の太陽星座が天秤座であることも何かしらの符合を感じます」と書いたのですが、今回の紫金山・アトラス彗星に関しても彼らの出生図の個人天体をがっつり通過する感じになっているのが興味深いです。
ネタニヤフ首相の出生図のMCは、乙女座23度にあります。10月3日の天秤座日食では、太陽と月が出生図のMCの支配星である水星と合となり、さらにちょうどその日食の日に紫金山・アトラス彗星がMCを通過する、という日食の影響も彗星の影響も受けまくる配置となっていました。日食と彗星のスタンダードな解釈を適用しますと、今の地位に陰りが見えると考えられるようにも思いますが、凶兆をも味方につけるものすごい強運の持ち主なのかもしれないです。いずれにせよ、道理の通らない市民への無差別攻撃はいち早くやめていただきたいものです。
以上です!
今回は追記と前書きのやたら長いメルマガになってしまいましたねー!うん、そういう回もある。最近寒くなってきたので皆様ご自愛くださいね。それではまた!
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